MOH









携帯にメールの着信。
めったにメールなんてこないのに珍しいなと思い、液晶を覗くと海堂薫から。



「今日、何も食べる物が無いのでさんの家に行きます」



なんだろこれ?




今夜は暇だし、返信メールを送る。

「意味わかんないけど、とりあえず八時においでよ」

私と付き合い出して一ヶ月の恋人、海堂薫くん。
社会人と学生さんカップル、嬉し恥ずかし中学生。


時間通りに玄関のチャイム。
「薫くん?」
「…はい」


重いドアを開けると、彼がバツが悪そうに頭をバリバリと掻いて立っていた。
腰に付けたウォレットチェーンを申し訳なさそうに弄びながら。

親に御飯も食べさせてもらえないのか、この子は…。
育ち盛りだってのに、おいたわしや。

とにかく、ハラへってるって事ね。



「何?食べる物がないからウチ来るって」
「部活終わって、家帰ったら誰もいなくて…なんか家族で出掛けたみたいで、メシが…」
「なかったの?」
「ハイ」
「私に食わせて欲しいの?」
「すんません」


私の手料理が食べたいなら、そう言えばいいのに。
あ、そうじゃなくて?


「親の携帯には今夜、帰らないって入れといたから……」
「なんか緊張してない?おーい」
「そっ、そんな事、ないっス…」

急に来られてもなぁ、何作ろう。
外食しよ?なんて言えない雰囲気だよね。
でも薫くんに御飯作ってあげるなんて、初めてだから嬉しい。
冷蔵庫を開けて、ハイ決定!
今夜はオムハヤシです。
エプロン装備でお料理開始。

さんって、自炊してるんですか?」
「んー?時間ある時はなるべく作る様にしてるよー」
「なんか女らしいですね」


私はキミと違って女なんだけどな!


キッチンとリビングの会話。
薫くんは雑誌をパラパラ見ながら私に話かける。
なんかいいじゃない、こういうの。
卵を溶いてタマネギ切って、お肉、あと何入れるの?
御飯も炒めなくちゃね。
ハヤシライスの箱の調理例を睨みながらの作業、ちょっと料理出来る女を気取りすぎたかな…
精進します。


ふと気配。
ん?
いつの間にか私の肩からまな板を覗き込む薫くんがいた。

さんの料理するとこ、見てても…」
「びっくりするじゃないっ!…あつっ……」


濡れた指に赤い血が滲む。
慣れない事、しちゃったからな。

「ごっ、ごめんなさいっ…俺…」
「あーいいよ、平気。絆創膏持って来てー」




ちゅっ。


ふいに私の手を取り、薫くんのくちびるが傷口に当てがわれる。
ペロリと舌をのぞかせ傷を舐めてくれた。

「…俺のクセ。なんスよ…傷出来たら舐めんの」
「あはは、なんか動物みたいだなぁ」

実は凄いドキドキしちゃった。



「すいません…俺、どうしていいか解らなくて…」

彼の上目遣いが、やけに男を感じさせて色っぽい。
離された唇を目で追う。
今度は私を見下ろしてごめんなさいって顔してる薫くん。
なんかカワイイ。



「ありがと」



傷口に絆創膏貼って再開です。
オムハヤシ、なんとか完成!
すっごい感激、ちゃんと出来た、すごーい!!


「さ、さ、食べよ。おナカ減ったよねー?」
「すっげ…さん、すごいっス!」

ちいさなテーブルに並ぶ二つの皿、隣同士に床に座って自然に頬が緩む。
ホカホカでフカフカのトロトロ、見た目も匂いもおしそう。
ファミレスで食べたらいくらかな?
ちょっと発想が貧困。
一緒にご挨拶。

「いただきまーす」


薫さんよ。
そんなおいしい?食うの早いよ。
ちょっとワガママ言えば味わって食ってー。
そんなハラ減ってたのか、待たせてゴメンよ。

「どう?」
「ん、うまいです…さんプロみてぇ、すげぇんまい」


そりゃホメすぎだろー、でも嬉しいね。
口に詰め込めるだけ詰め込んじゃって、誰も取らないよー。
こうやって一緒に私の御飯食べる日が来るとはなぁ、感激です。

「ねぇねぇ、私の御飯食べたのって初めてじゃない」
「そ、そうっスね。さんの料理食うの初めてです」
「嬉しい?」
「あっ…あ、ハイ…嬉しい…」

照れた顔。
止まるスプーン。
自然と反らす視線。


「私も…薫くんに食べてもらえて嬉しいよ」
さんと…その…」
「ん?」

さんと…結婚する人は、毎日こんなウマいの食えるんスよね」


マジムカつく。


「あーそう、私は薫くんとは結婚出来ないんだぁ?」
「あっ!いや…」
「なんか、ちょっとショックだよー」


「俺…さんと一緒にいたいっス…俺は…
さん誰にも渡すつもりは無いし、こんなウマい飯も誰にも食わせたく無いです… 」

そんだけです。と言ってペコリと頭を下げた。


「じゃぁ、私に他に好きな人とか出来たらどうするのさ」


思わず意地悪な事、言っちゃった…。


私の手をギュッと握る薫くん、下を向いたままポツリと呟いた。

「…さんは俺のモンだろ」
「え?」




は誰にも渡さねぇ」





すごい胸ドキドキ、勢いで言ったんだろうけど…
それと初めての呼び捨て。



「強がりとかじゃねぇ、誰かに取られる前に…俺がと…」
「薫くん…ゴメンね。変な事言っちゃったね」


意志の強い瞳が私を捕らえて離さない。



…俺、もう我慢出来ねぇ…っ」
「ちょっと…薫くんっ…?」



もう痛みの引いた傷に絆創膏の上からキスされ、床に押し倒される。
真上に薫くんの顔。
こんな事するのも初めてなんだよね、君。
唇をキュッと噛み締めてる。

、抱かせろ…」
「……えっ、え?」



経験不足なキス。
堅く閉じたままの唇を押し付ける薫くん。
私が初めて付き合った女だって言ってた。
すごく愛おしく思う。



の唇って、柔らかけぇんだな…」




私の体をきつく抱いて、薫くんの舌が口の奥まで入って来る。
自分から舌を絡めて彼を受け入れる。
太い舌が割り込んでは掻き回す、口の中の蜜が混じりあって溶ける。

一瞬見えた透明な糸は、二人を繋いでいた証。




ガッ…

彼の欲望が剥き出しになる。
エプロンの下に手を差し入れ、Tシャツを捲り上げた。
私より大きい手が乳房を握る様に揉みしだく。

「ずっと我慢してた、を汚したくなかった…けど、もう抑えらんね…」
「やっ…ちょ、痛いよ…薫くん…」
っ…俺だけのモンだからなっ…」
「急にそんな…待ってよ…!」


ブラを下げられ指がめり込む程掴む。
指で乳首を摘み、擦り合わせる。
熱い唇が首筋を這い、きつく吸う。

「あぁっ…薫くん、ダメっ…ちょっと落ち着いて…」
を目の前にして落ち着いてなんていられるかよっ…は俺が…離さねぇ…」
「薫く…はぁん…こんなとこで…」
「好きなんだ…こんなに苦しいのは、初めてなんだよ」

薫くんは、そう言うと私のスカートの中に手を伸ばした。
下着の上から割れ目に指を埋め込み、荒々しく指を使う。

の濡れてきてる…」
「いやぁっ…」
「気持ちいいって言えよ…ココ触られて気持ちいいんだろ?」
「んっ…あぁん…あ、薫くんっ…」
…すげぇヤラしい声出すんだな…」
「そんなに触っちゃ…っあぁぁあ!」
「すげぇカワイイ…」

薫くんは履いていたジーンズを下ろし、ボクサーパンツになる。
良く見ると色がそこだけ濃く、染みになっていた。
そこから熱くそそり立った物を取り出す。
強引に私の下着を剥がすと、私の両足を持ち上げオマンコに己を当てがう。

「薫くん、ダメッ…そんな大きいの…」
「お前のせいなんだよっ」






ジュブブブ…





「あぐっ…うっ…あぁぁっ!薫…くんっ…」
っ!あっ…ハァ…ハァハァ…お前の中に…入ってるぞ…」
「痛っ…そんな無理矢理入れちゃ…ヤダっ…」
「中で絡み付いてくる……すっげ…こんなの…」
「そんな事、言っちゃやぁぁ…」
「もっと…俺ので埋め尽くしてやる…」


私の胸を鷲掴みにしながら、乱暴に腰を打ち付ける。
次第に結合部からグチュグチュと粘液の交わる音が聞こえてきた。
肉の奥を容赦無く犯され、次第に意識は朦朧として…

貪る様なキス。
薫くんの頭を抱えて、髪の毛を指に絡ませ引き寄せる

「あっぁ…薫っ…いいっ…もっと頂戴…薫っ!」
っ…好きだ!あぁぁ…俺、俺っ…」
「いいよ…イッて…薫イッてっ…!!」
「出っ…あぁ……っ!!!」



糸を引いて抜き出したそこから、薫の精液が勢い良く溢れ落ちる。
ドロリと私の太ももを白く濡らした。








疲れきった二人は床に寝転び、手を繋いで天井を見ていた。
薫くんは酷く恥ずかしがって私の方を見ない。


…どうしていいかわかんなくて…俺…ゴメン。このままだとが離れていっちまいそうで…恐かった」
「いいの…、ずっと傍にさせて。そんな不安にならないで…薫くん、好きだよ…」
「俺も…大好きだ…」
「ん…」






「また、の家にメシ食いに来てもいいか…?」
「その時は、ベッドでエッチ。しようね」


薫くんの赤くなった頬に小さくキスして、ベッドに行く。
二人して抱き合う。
あったかいね。








洗い物は、また明日。










 終










海堂は素直で真直ぐすぎて、ガツンガツンにぶつかって欲しいです。
男の子は手料理にしこたま弱いってな話と嫉妬。これぞ夢っぽいかな。











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