プカプカ









空を見た。
お空の青は、そんなにキレイなもんじゃない。
良く見ると濁ってるじゃん。
空は浅く広いんじゃないかと思う。
曇ってないのに、こんなに寒いなんて反則だよ。


なんかポッカリと穴が空いて。
寂しいのかな。

最近思うのは恋をしたのかもって事。
相手は海堂薫、いいとこのお坊ちゃん。
口と目付きは悪いけど、礼儀とかちゃんとしてて良い子だなと思った。
なんか何時も威嚇してる。





学校の帰り道、寒さに体中の筋肉を硬直させてたら海堂がいた。



「おつかれー」
「…っス」





一人で帰ってんだ。



ちょっとチャンスなのかな。








「ねぇねぇ、今日も寒いね」
「寒いです」


私は調子こいて制服のコートの中で堅くなってた手を伸ばして、海堂の頬を包んだ。




「あっためてよー」




先輩、そういう事ばっか言ってると勘違いされますよ」


私の手を振り切ると、海堂は自分の頬を摩りながら鞄を持ち直した。
あ、白いなぁ。
息。
同じ空気吸ってるんだ、なんかトキメキ。



「あっためてー、あっためてオバケ」



なんか無視されてるっぽいな。












海堂の細くて長い指が私の冷たい両の手を包み込む様に取り、口元へ。
吐息をかける。
隙間から漏れる白い空気。



「これでいいっすか?」


「あったかいなぁ」











青鼠色の風景に溶けてプカプカ。










 終










一つ上の女の先輩。寒くなるとナウロマンティックだなぁ。
俺のアノ子はタバコが好きで、何時もプカプカプカ。って歌があったけどタバコじゃないのよ。











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