明日はバレンタインデー。


今年こそあげたい…赤澤部長に…バレンタインチョコ。
来月卒業してしまう部長に告白するチャンスはもうこの日しかないから!

バレンタインの前日、俺は一大決心をして菓子屋に向かった。

…が、見事玉砕。

「あんな女ばっかの中チョコなんか買えねぇよー…」







意気地なしの俺のバレンタインはあっけなく終わってしまった…。





翌日の放課後。


「おい金田、お前チョコもらったか?俺すげーぞっ!すげー貰った!ほしけりゃ分けてやるよ。いるか?」

今日は赤澤部長に会いたくなかったのに、中庭で声をかけられてしまった。
たくさんの女の子達からチョコを貰って大はしゃぎの部長。

…情けない。

チョコをくれた女の子の気持ちなんて少しも分かってない…。


チョコ、あげなくて良かった。…と思う反面、女の子達に対する嫉妬心がフツフツとこみ上げてくる。


「先輩っ、ちょっと待ってて下さい!」

「え?待てよ!金田っ、おいっ!」


赤澤部長の声を背中に、俺は走った。


5分後。


「お…お待たせしました…部長…」

ハアハア息を切らして赤澤部長の元に戻って来た。


俺の手の中には茶色い紙袋。


「どうしたんだ?いきなり走って……、その袋は何だ?」


「コレ、あげますっ!」


赤澤部長は、紙袋を受け取って不思議そうに中を覗く。


「あっ!焼イモじゃん!うまそー!マジくれんのか?」


なんて色気のないプレゼント…なんて事は分かってる。

でもチョコを買う勇気はないし、部長焼イモ好きだし…。


俺にとっては精一杯心を込めたプレゼントだった。


「半分に割って一緒に食おうぜ。そこのベンチで待ってろよ、ジュース買ってきてやるから」

赤澤部長と半分こっ!!

良かった!! 焼イモプレゼントして本当に良かった〜!!


ベンチで一人感激している俺の元に赤澤部長が戻ってきた。手に一本の缶ジュースを持って。

「悪ぃ、金ねぇから1本回し飲みな?」


…回し飲み。つ、つ、つまり…間接キス…って事ですか…?

部長わかってるんスか?か、間接キスになっちゃいますよっ!!


俺は頭の中で部長に問いただした。 …が、当然伝わるはずもなく、部長はジュースの蓋を開けて一口飲んだ。


「ほら、飲めよ」


缶を渡された。







赤澤部長と…間接キス…。

感触を味わうように口をつけて…一口飲んだ。


とてつもなく甘い。

「ゲホッ…!なんスか!?コレ?」

イモが甘いからきっとウーロンかなんかを買ってくるだろう、という俺の予想は見事に裏切られた。


「ホットチョコレート、美味いだろ?」



チョコレート…という響きにハッとした。


今まで赤澤部長がこんなの飲んでるとこ見た事ないし…、

まさか…まさか…俺に対するバレンタインチョコのつもりで…?

1本しか買って来なかったのもわざとだったり…?


「う…美味いっス…。めちゃくちゃ美味いっス…」

「何だ?お前、涙目になってるぞ。そんなに美味いか!よし、イモも食え!モリモリ食って、来年こそは全国行ってくれ!!」

「ありがとうございます!赤澤部長〜!!」







金田の想像が真実かどうかは赤澤にしかわからない。

しかしこの後、イモとホットチョコのダブルの甘さに耐え切れず、金田がウーロンを奢るハメになるのであった。



















バレンタイン金×赤です!
金赤、かなり萌えてます!
そのうちエロも書けたらイイな〜…なんてたくらみ中でございます。

そして!あたしなんかのショボイSSに挿絵を描いてくださったナンシーちゃん!!
ありがとうございましたーっっっ!!

ナンシーちゃんの赤澤はなんでこんな男前なんですか!?
こんな素敵な赤澤部長と間接キスできて金田はなんて幸せ者なんでしょう!?
金田になってしまいたいです!



挿絵を描いてくれたナンシーちゃんのサイトへは

コチラから





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