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俺バカみたい。
勘違いして、期待して…。
…でも大石だって悪い。いつも俺に優しいから。
大石は誰にだって優しいけど、俺には特別優しいもん。
みんな言ってるよ。
大石は俺に甘い、って。
こないだ不二にも言われたもん。
大石と付き合ってるんでしょ?って。
誰だって勘違いしちゃうよ…。
誰も予想もしてないよ。
大石がおチビの事好きなんてさ。
俺の気も知らないで…大石のバカ。
…そういえば大石、俺の気持ち知らないんだよね。
じゃあ…俺まだフラれてない…?
大石がおチビにフラれたら、俺にだってまだチャンスはある!
おチビ…大石の事どう思ってるんだろう…。
知りたい。
聞こう。明日。
朝練終わったら…。
おチビの好きな人教えて〜♪とか、ふざけながら聞けば怪しまれないよね。
聞こう。
翌日計画通り、俺はおチビを呼び出した。
誰もいない特別教室に二人きり。
「何の用スか?」
「おチビにさ…どうしても聞きたい事あるんだ」
不思議そうにこっちを見てる。
「あのね…おチビ…好きな人とか…いるの?」
「エージ先輩に関係ないじゃん。それだけ?もう戻っていいっスか?」
俺に背を向けて教室から出て行こうとするおチビ。
「関係なくなんかないっ!」
つい感情に任せて大きい声だしちゃった。
おチビも少し驚いてる。
「…まーね。関係なくはないかも」
「何…それ、どういう意味?」
「俺、エージ先輩の事ライバルだと思ってますから」
「ライバル…っておチビ…?」
「何トボケてるんスか?俺の好きな人分かってて聞いてるんでしょ?」
「…っ!」
「俺の好きな人、エージ先輩の恋人ですよ」
「…!?」
え…?何、恋人って…?
「見てれば分かりますよ。大石先輩と付き合ってるんでしょ?」
違うよ、おチビ。
俺の片想い…。てゆーか、
おチビこそ両想いなんじゃん。大石と。
「二人の仲、ジャマするつもりはないっスけど…俺ずっと大石先輩の事好きですから」
「お、俺だって…大石の事好きだもん。大好きだもん!渡さないよ、おチビにはっ!」
どうしよう…。大石とおチビ、好き同士なのに…俺がおジャマ虫なのに…。
おチビ、勘違いしてる。
でも本当の事知ったら、二人は付き合っちゃう。
どうしよう。
…やだ。大石がおチビと付き合うなんて絶対やだ。
俺が黙ってれば、このままなのかな?
俺と大石は親友で、おチビは俺と大石が付き合ってるって勘違いしたまんまで…。
うん。それがいい。
黙ってよう。
大石がおチビのモノになるくらいなら、俺イヤなヤツになってもいい。
→続き
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