放課後。

今日も部活終わっていつものセリフ。
「大石、一緒に帰ろ♪」

大石もいつものセリフ。
「ああ、日誌書くからそこで待ってて」

桃もいつものセリフ。
「越前、チャリ乗ってくだろ?早く来いよ」

おチビもいつものセリフ。
「ウィッス」

これでいいんだよね。
これが自然だよね。

部員が全員帰って大石がカギ閉めて、いつも通り二人で帰る。


…ハズだった。


「あれ?越前」
大石がおチビの名前を呼んだ。

「先輩…」

おチビ、なんでいるの?結構前に桃と帰ったはずじゃん。

「どうした?桃と帰ったんじゃなかったのか?」
大石何か嬉しそう…。そりゃそうだよね、好きなコが目の前にいるんだもんね。

「桃先輩のチャリ壊れちゃって、修理に出しに行くから今日は一人で帰れって…」
「そっか。じゃ、せっかく会ったんだし一緒に帰るか?」

ウソ!?やだよ。三人でなんて帰りたくない…。

「いいっスよ」

どうしよう…。
大石を挟んで三人並んで歩く。

大石は優しいから俺にもおチビにも同じくらい話しかけてくれる。
本当はおチビといっぱい話したいんだよね。
おチビだって本当は大石と二人っきりで帰りたいに決まってる。

今の俺、二人にとって邪魔者なんだろうな…。

ツライ。

居たたまれないよ。


「えっと…ゴメン。俺なんか具合悪いから走って帰るね。大石、おチビ、バイバイ」

ウソ、バレバレだよね。
でも逃げ出したかった。

「おい、待てよ!英二!」

走り出そうとした俺の手首を力強く掴まれた。

「具合悪いって、大丈夫か!?」
大石離してよ。泣きそうな顔見られたくない。

「越前、悪い。英二を送ってくからここで別れよう。また明日な」


…え?

「さよならっス」

「な…いいよ、俺一人で帰るから…おチビと帰りなよ」
「何言ってるんだ!具合悪い英二を一人で帰せるわけないだろう!」

何で…。せっかく好きなコと帰れるチャンスなのに…。

何で俺のバレバレのウソ信じるの?

大石優しすぎるよ。


大石…大好きだよ。

「大石…」

「ほら帰るぞ。辛くないか?」

「大石…」

「英二?」





「もーっ!ニブイな〜大石は」

「え?」

「せっかく俺が気ィ利かせたのに!」

俺はグイッと大石の腕とおチビの腕を掴んで二人を向き合わせた。



「あのね〜、大石とおチビ、両想いなんだよ」

「「………」」

二人は見つめ合って…

「「…え!」」

「わかった?俺はおジャマ虫だから退散するの☆」

「ちょっ、エージ先輩…」

おチビのこんな困った顔、初めて見た。
俺の気持ちは秘密ねって意味で小さくウインク。

「越前…ほ、本当に…?」
「大石先輩こそ…」


二人とも赤くなってる。
良かったね…。気持ち通じ合えて。


「英二…ありがとう。英二のお陰だよ…。本当にありがとう」

大石の笑顔…。大好き。
やっぱ好きな人には笑っててほしいもんね。

「へへっ。大石は俺の大事な親友なんだから、親友の幸せのためならキューピットでも何でもやるよ〜♪」

「エージ先輩…」
「おチビ、俺の親友泣かせたらタダじゃ済まないかんね☆」

「英二…」
「大石もだよ!おチビは俺の可愛い後輩なんだから悲しませる事すんなよ!」



これでもうカンペキ失恋。


でも大石が幸せならいいや。

俺…大石の事、本当に好きだったんだよ。



ひとつだけお願い。



この気持ち何があっても絶対隠し通すから…







だから、もう少しだけ好きでいさせてね。











菊がカワイソーすぎ!!
この小説はCまで続くのですが、かなり菊が可哀そうな話になってしまうのですよ…。
続きは書き上がり次第UPして行きますので、悲恋好きな方(汗)だけに読んでいただきたいデス〜。





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